
【帯文】
魂はどこにでもいける
生と死の水際にふれるつまさき。
身体がこぼさずにはいられなかった言葉が、立ち上がる。
(東直子)
【著者プロフィール】
二三川練(ふみがわ・れん)
日本大学大学院芸術学研究科博士後期課程芸術専攻在籍。研究対象は寺山修司の俳句と短歌。象短歌会、俳諧無心、詩会クレプスカに所属。練くん連句の会主催。
【5首】
うつくしい島とほろびた島それをつなぐ白くて小さいカヌー
心さえ無かったならば閉園のしずかに錆びてゆく観覧車
松葉杖で木星を歩く ここでしか吹けない君のろうそくがある
熱傷をはだかの腕にひからせてあなたがひらく犬の肋骨
喉をもつ空が洩らした嬌声のねえさん、星をもう蹴らないで