【帯文】
この世のいとおしい凸凹
どこまでも平らな心で見つけてきた、景色の横顔。
面白くて、美しくて、悲しくて、ほんのり明るい。
東 直子
【著者プロフィール】
寺井奈緒美(てらい・なおみ)
ホノルル生まれ、愛知育ち、東京在住。
趣味は粘土で縁起のよい人形をつくること。
【5首】
改札を通るときだけ鳴く鳥をだれもが一羽手懐けている
柴犬の尻尾くるんの真ん中の穴から見える極楽浄土
耳と耳あわせ孤独を聴くように深夜のバスの窓にもたれて
路上にはネギが一本落ちていて冬の尊さとして立て掛ける
なくなれば美しくなる でもぼくは電線越しの空が好きです
http://www.kankanbou.com/books/tanka/shinei/0359