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韻律に対する天性の優れた耳がある。巻頭からテンポよく畳みかけて来る
リズミカルな歌群。しかし、歌の世界は決して軽くはない。なにげない歌にも、
生きがたい日本の現在を生きる、重たく、せつない手ごたえや嘆息がこもる。
同時に、トホホ感にあふれた人間観察や明晰な智慧が天窓となり、鮮やかに
照らし出す歌人の心の深み。読ませる新人が登場した。
島田修三(帯文より)
いちめんのたんぽぽ畑に呆けていたい結婚を一人でしたい
星ひとつぶ口内炎のように燃ゆ〈生きづらさ〉などふつうのテーマ
がんばったところで誰も見ていない日本の北で窓開けている
(現代短歌社ホームページより)
http://www.gendaitanka.jp/book/kashu/063/