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あたらしくって、なつかしい。
サイダーから噴き出す、あの夏の虹みたいに、十七音を駆け抜ける、カラフルな言葉たち。
ひりひりと光り出す、やさしい記憶。
────神野紗希(俳人)
【収録句より】
春光にさらして角砂糖かわいい
さっきまでピアノの部屋の蝶だった
桜蘂降る自転車は海の色
ラズベリータルト晴天でよかった
シェパードのにおいして今日も雷
蛇衣を脱ぐや瞳に爛と艶
コンビニの花火がしょうもなくて笑う
目をほそめ三日月を研ぐペダル漕ぐ
抱けばきみ定形外や藍の花
漫才師去る足揃う三十三才
手袋をはずしてから手に触れたい
うさぎ寄りあえばうさぎをゆるしあう
http://www.kankanbou.com/books/poetry/haiku/0457