現代川柳は《現在》の破片である──。
川柳の伝統を批判的に受け継ぐ現代川柳作家による480句。
『はじめまして現代川柳』でも注目された著者の待望の第一句集。
【収録句より】
マグカップで壊せるような朝じゃない
そら耳のつづきを散っていくガラス
最初が運、途中は夢でいいですね
ガラス屋の軽トラの荷台のデュシャン
君が袖ふる愛をガシガシ消すために
足もとはNIKE行き交う年もまた
ヒロシマにダーツふわっと散る光
神よ神よ砂ずりがまだ来てませんね
漱石のちょっと発熱ちょっと死
助手席でカバンのなかを拭いている
何となく明るいほうへハンドルを
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