夜明けが、雨が、そして音楽が――言葉になる瞬間を見に行こう。
〈あなた〉と深く、指をからめて。(黒瀬 珂瀾)
【5首】
あなただれ、黄昏。おまへだれ、雪崩。浮世草子をうしろから読む
言葉なるもののからだに棲むかぎり祈りの部屋は保たれてゐる
改札までつないでゐてねオクトーバー・フールと唱へてはだめですよ
つけまつげ冷たく濡れて街灯りはまばたきのたび更新される
鍵盤は押せば鳴るもの鍵盤は発語するのに適訳がない
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