舌だしてわらう子供を夕暮れに追いつかれないように隠した
子供との時間のなかに
前世のような記憶の翳がさす。
いつか、どこかで、わたしは立っていた
【自選5首】
君のべろが煙ったように白かったセブンティーンアイスクリーム前
西瓜食べ水瓜を食べわたくしが前世で濡らしてしまった床よ
蟻に水やさしくかけている秋の真顔がわたしに似ている子供
ヒメジョオンの汁でつくったマニキュアでにぶく光っていた爪の先
遮断機の向こうに立って生きてない人の顔して笑ってみせて
http://www.kankanbou.com/books/tanka/gendai/0470
※『青い舌』刊行記念フリーペーパー付
山崎聡子さん書き下ろしのフリーペーパーを付けてお送りします。A4両面1枚のミニエッセイです。