あきらかにものをみむとしまづあきらかに目を閉ざしたり
戦後短歌の世界に忽然と現れた異形の歌
幻視の女王、魔女、黒聖母、ミュータント……こうした呼び名を剝がしつつ迫るその全貌。
いよいよ存在感を増す葛原妙子を通して戦後の短歌史を問い直す名著の新装版。
【新装版の刊行に寄せて】
葛原妙子の作品は不思議にいつも新しい。同時に読み切れない。追いかけるほどに深みへ引き込まれ、書くほどに書ききれなかったことが影となって付いてくる。(……)
不思議なほどあらゆる評言を逃れて葛原の作品はゼロの地点にある。