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黄崇凱『冥王星より遠いところ』

¥2,090 税込

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現代台湾文学選2 「冥王星より遠いところ」比冥王星更遠的地方 黄崇凱 著 明田川聡士 訳 四六、上製、224ページ 定価:本体1,900円+税 ISBN978-4-86385-484-0 C0097 装幀 木庭貴信+オクターヴ カバー写真 陳威廷 どんなに大切な時間も、やがて忘れ去られてしまう—— この小説の語り手はその運命に本気で抗おうとする。「惑星X」の存在を信じ続けた天文学者と同じ、狂気と紙一重の切実さで。 モザイクのように繫がる過去と未来、現実と虚構が、日本を越え、アメリカも越えて、遠く太陽系の果てに新しい地平をつくる。 ――滝口悠生(小説家) 人の記憶で引き起こされる哀しみとは、どの既婚男性にも永年のネルーダの少女がいて、その娘は妻ではなく、愛人でもないということ。でも、絶えず男の現実の神経に働きかける。 青春に舞い戻ることはできないが、記憶ならば可能だ。でも、記憶の中のネルーダの少女は冥王星のように遠くにある。既婚男性の背後にはネルーダの少女がいて、もちろんネルーダの背後にもネルーダの少年が永遠にいる。わたしたちは皆、失ったネルーダを捜すのだ… ――甘耀明(小説家) 物語はわたしを奇妙な空間の中で散歩させる。その多くは日常生活の中でのシーンだ。コンビニや大通り、部屋、病院で、ライトブルーの光が、町中の無表情なビルの小窓に差している。でも、はっきりとしているのは、読んでいる最中に、零下二百度の孤独がわたしを浸食、太陽系の遠く外れにある緑色の冥王星にいるような気分にさせること――わたしはそこに行ったことがないけれども。 ――伊格言(小説家) 文学キャンプ出身の「七年級」作家・黄崇凱、日本で初めての単行本。台湾における尊厳死問題を示唆した長編デビュー作。 病院で母を介護する青年と、妻や娘と暮らす小説家志望の高校教師。青年の夢に出てくる男の姿は高校教師である「俺」の日常とまったく同じで、高校教師が小説で描き出す青年は現実の「俺」と少しも変わらない。二人の「俺」は現実の日常や夢のなか、小説のなかで、母の病室と実家とを行き来し、ネルーダの少女とデートする……。この現実は夢なのか、虚構なのか。今では最愛の母は遠く離れ、太陽系から外された冥王星よりもさらに遠いところをさまよっている。 2021年9月中旬全国書店にて発売。 【著者プロフィール】 黄崇凱(こう・すうがい / Huang Chong-Kai) 1981年、台湾・嘉義市生まれ。小説家。国立台湾大学歴史学系卒業、同大学歴史学研究所修了。著作に長編小説『新宝島』(2021年)、『黄色小説』(2014年)、『壊掉的人』(2012年)、短編小説集『文芸春秋』(2017年)、『靴子腿』(2009年)など。短編小説「水豚」(邦題:カピバラを盗む)は文学ムック『たべるのがおそい vol.3』(2017年)に掲載。受賞歴に金鼎賞(2018年)、呉濁流文学賞(2018年)など多数。 【訳者プロフィール】 明田川聡士(あけたがわ・さとし) 1981年、千葉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。獨協大学国際教養学部専任講師。専攻は台湾文学。著書に『戦後台湾の文学と歴史、社会』(単著、関西学院大学出版会、2021年近刊)、『越境する中国文学』(共著、東方書店、2018年)、『台湾研究新視界』(共著、台北・麦田出版、2012年)、翻訳に李喬『藍彩霞の春』(単訳、未知谷、2018年)、李喬『曠野にひとり』(共訳、研文出版、2014年)など。 【現代台湾文学選】 台湾の現代文学には、激動の時代の空気感を伝えるだけでなく、現在の台湾の人びとの抱える問題が色濃く反映されている。ただ、観光に行くだけでなく、人々の暮らしや思いにも心を寄せてみたい。小説の中には私たちが知らない台湾の姿が色濃く滲んでいるにちがいない。 【「現代台湾文学選」刊行にあたって】 書肆侃侃房が手がけるアジア文学のなかで、台湾現代文学選が加わりました。すでに話題作も翻訳出版されているが、書肆侃侃房では、現在、台湾だけでなく、世界中の人々の関心が高く興味深い作品を選んでいきたい。「台湾文学」っておもしろいね、という作品を紹介していくつもりです。 http://www.kankanbou.com/books/kaigai/taiwan/0484

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