新鋭短歌シリーズ1
『つむじ風、ここにあります』
木下龍也
監修:東 直子
四六、並製、144ページ
定価:本体1,700円+税
ISBN978-4-86385-111-5 C0092 6刷
装画:清水彩子
痛みと風穴が愛おしい
心に向かって254回も引き金をひかれ、逃げられました。
(道尾秀介)
圧倒的な言語感覚
類いまれな想像力と繊細な洞察力で刻む、斬新な世界。
(東 直子)
2013年5月下旬全国書店にて発売。
2019年1月第五刷発行
2021年6月第六刷発行
【著者プロフィール】
木下龍也(きのした・たつや)
1988年1月12日、山口県生まれ。山口県在住。2011年より作歌を始め、穂村弘「短歌ください」(ダ・ヴィンチ)や短歌×写真のフリーペーパー「うたらば」などに投稿を始める。2012年第41回全国短歌大会大会賞受賞。結成当日解散型不定形ユニット「何らかの歌詠みたち」で岡野大嗣らとともに短歌朗読をたまにしている。しいたけと生魚と自己紹介が苦手。
Twitter:@kino112
【5首】
夕暮れのゼブラゾーンをビートルズみたいに歩くたったひとりで
ハンカチを落としましたよああこれは僕が鬼だということですか
自販機のひかりまみれのカゲロウが喉の渇きを癒せずにいる
鮭の死を米で包んでまたさらに海苔で包んだあれが食べたい
カードキー忘れて水を買いに出て僕は世界に閉じ込められる