ロングセラー歌集『たんぽるぽる』がついに文庫化!
電子詩集『地球の恋人たちの朝食』から同じ背景で書かれた詩作品を追加収録。
【歌集より】
目がさめるだけでうれしい 人間がつくったものでは空港がすき
とても私。きましたここへ。 とてもここへ。白い帽子を胸にふせ立つ
ふと「死ね」と聞こえたようで聞きかえすおやすみなさいの電話の中に
逢えばくるうこころ逢わなければくるうこころ愛に友だちはいない
うれいなくたのしく生きよ娘たち 熊銀行に鮭をあずけて
雪の日も小窓を開けてこのひとと光をゆでる暮らしをします
一番の友が夫であることの物陰のない道を帰りぬ
【目次】
たんぽるぽる
1.道路と寝る
2.炎正妃
3.魔物のように幸せに
4.愛に友達はいない
5.ア・スネイル・イズ・ア・ファイア
6.旅芸人の記憶
7.22:22(ni-ni-ni-ni)
8.バーベルを挙げれば
9.吹けばとぶもの
10.おおいなる梅干し
11.戦士だった
12.たんぽるぽる
跋文――非定型の星のひとりフェス 松川洋子
あとがき 二〇一〇年の暮らし
地球の恋人たちの朝食(抄)
文庫版あとがき
たんぽるぽるの棘 吉澤嘉代子
地球規模の愛を 東 直子
雪舟えま(ゆきふね・えま)
1974年札幌市生まれ。小説家・歌人。著書に歌集『はーはー姫が彼女の王子たちに出逢うまで』(書肆侃侃房)、文芸絵本『ナニュークたちの星座』(アリス館)、現代語訳『BL古典セレクション1 竹取物語 伊勢物語』(左右社)、小説『緑と楯 ハイスクール・デイズ』(集英社)ほか多数。
装幀=鈴木成一デザイン室
2022.2.25刊
ISBN978-4-86272-699-5
C0092 ¥909E
(短歌研究社公式サイトより)