現代歌人シリーズ34
『寂しさでしか殺せない最強のうさぎ』
山田航
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https://ajirobooks.stores.jp/items/62bbff5ce50c0b6bef1ddab8
定価:本体2,000円+税
四六判変形、並製、144ページ
ISBN978-4-86385-527-4 C0092
装幀:クラフト・エヴィング商會
http://www.kankanbou.com/books/tanka/gendai/0527
雨宿りやめる決意を君はする止んだのか濡れる気かは知らない
ーー小説的な企みのなかに、「ひかりってめにおもい」ことや「夏が動く音」、「手渡し」の危険さといった日常に潜むスリルが散りばめられている。ふいに出現する口語の息遣いに虚をつかれた。
江國香織
【収録歌より】
猫の頭蓋骨は小さい 手に収まるくらいの量の春つかまえる
手渡しは危ないからさテーブルに置くよ紅茶もこの感情も
ひかりってめにおもいの、と不機嫌だごめん寝てるのに電気つけちゃって
電線で切り刻まれた三日月のひかりが僕をずたずたに照らす
海、海、海、海が見えるよ僕たちは海に奇跡の投げ売りを見た
【著者プロフィール】
山田航(やまだ・わたる)
1983 年札幌生まれ。札幌在住。
第一歌集『さよならバグ・チルドレン』(ふらんす堂)、第二歌集『水に
沈む羊』(港の人)。
編著に『桜前線開架宣言』(左右社)、エッセイに『ことばおてだまジャ
グリング』(文藝春秋)。