「全部私小説だと思って書いている」
近くに遠くに潜むいろいろなものに、気づくことの面白さと不思議さ。
日経新聞夕刊で半年間毎週連載したコラムに、書き下ろし2本をくわえた、芥川賞作家・小山田浩子初のエッセイ集がめでたく重版!
「広島の田舎で生まれ育ちいまも似たような地域に住んでいる私は、井の中の蛙というかパイプの中のかえるというか、狭い範囲で暮らしそれなりに充足していて、でもそこから顔を出し世界を見回すこともある」
装画:オカヤイヅミ
デザイン:横山雄
目次
まえがき
メボ
被災の国
衣替え
女はしない
鯛
呪いの小石
広島の「平和教育」
新しい「平和教育」
「平和教育」の先
名前のない読書
Eテレさん
ヤゴ
自動ドア
朝の4時
生落花生
呼び方
故郷の言葉
買い物が苦手
映画
オンライン
缶コーヒー
ノートパソコン
餅つき
救急車
近くに遠くに
著者プロフィール
小山田浩子 (オヤマダヒロコ) (著/文)
1983年広島県生まれ。2010年「工場」で新潮新人賞を受賞してデビュー。2013年、同作を収録した単行本『工場』が三島由紀夫賞候補となる。同書で織田作之助賞受賞。2014年「穴」で第150回芥川龍之介賞受賞。他の著書に『庭』『小島』、エッセイ集『パイプの中のかえる』がある。