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打矢京子『冬芽』(現代短歌社)

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第9回現代短歌社賞受賞作 この歌集の世界は、単なる現在ではない。一冊の歌集になるまでにも幾度も同じような過去が積み重なっている。それが未来へとつづき、そこにまた同じような人生がある。循環、複層化する時間・空間が「遠い未来の昔」をつくる。だからだろうか、どこか恐ろしいものを感ずるのだ。生きているのは風土の方で人は何ほどのものではないと。それがこの歌集の魅力の根基であろう。(一ノ関忠人「栞」より) 栞=一ノ関忠人・黒瀬珂瀾・阿木津英 雪しろを遠くはこびて来し川の終はりて海とひかり溶けあふ 寒の日の浜辺の丘に建つ墓のみなひとかたに雪の張りつく 夜の空をこゑ移りきて白鳥が街の灯りにたまゆら浮かぶ 雪の田のみづからの影吸ひあげて白鳥幾羽空へ飛び立つ 在りし日の父母を思ひてわれら亡き後をし思ひ仏具を磨く 判型:四六判変型本フランス装 頁数:196頁 ISBN:978-4-86534-409-7 発行日:2022年10月26日 発行:現代短歌社 発売:三本木書院(gift10叢書第49篇) (現代短歌社ホームページより)

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