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新鋭短歌シリーズ18
『トントングラム』
伊舎堂 仁
四六、並製、144ページ
ISBN978-4-86385-168-9 C0092
少し笑ってから寝よう。
石垣島発。
短歌エンターテインメントの世界。
――加藤治郎
こんなこと
を、面白がっている人がいる。
うれしいです。今も。
――藤岡拓太郎(ギャグ漫画家)
【5首】
(屋上の)(鍵)(ください)の手話は(鍵)のとき一瞬怖い顔になる
リスニングテストが聞こえるアメです「始め」と言ったらなめてください
初恋期略奪事案発生後走行時無呼吸症候群
雪見だいふく 作り方 で検索しているような子が好きである
元気かな ブルーハーツがだいたいは言っちゃったとか言っちゃっていた
【著者プロフィール】
伊舎堂仁(いしゃどう・ひとし)
1988年、沖縄生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。
LOSTAGEとナンバーガール、穂村弘の短歌(三十五歳までならあなたの背は伸びる マイクロフォンが叫ぶ夕映)、加藤治郎の短歌(声がする。きみの背後に気をつけろ。うすむらさきの唇がある)、矢野号の大喜利回答(「巨大な男根にまたがって中国の空の上を飛んだことがある」)、街裏ぴんくの漫談(「深夜窓の外に現れた銀河鉄道に乗りこんだらマスオさんが一人だけ車両にいて、話しかけるもどうも目線が合わないなと顔を覗き込んだら黒目にメガネ屋で見れる気球の絵が逆さまに映っていた」というくだり)、が好きです。