どうして、こんなことをわざわざ書くんだろう。
川柳の三要素「穿ち」「軽み」「おかしみ」と、その先へつながる新時代のアンソロジー誕生! 川柳作家の樋口由紀子が時代や流派を超えて読み解いた、珠玉の333句。
川柳入門に最適な一冊。
目次
❖目次
月曜日の川柳
今日もおろおろと/金魚の出番/雨はどこにでも/心の揺れ/歯医者と眼鏡屋
火曜日の川柳
自転車を停めて/不思議な街/今のふたり/生きるとは/自分を保つ
水曜日の川柳
テレビで見ます/すったもんだ/ニャーと鳴くだけ/老いゆくよ/酒の肴に
木曜日の川柳
輪郭をつかまえる/転がったところ/母と並んで/傷つきやすさ/家の灯り
金曜日の川柳
妖精と酢豚/妻の才能/旅に出る/記憶の夕焼け/まっすぐ夜になれ
あとがき
解説 西原天気
作者別索引
前書きなど
川柳は俳句と形は同じですが、なにかが違います。詩形のなかに求めるものの差異です。川柳は一見わかりやすい文芸ですが、意味を追いかけていくと「なぜ?」という疑問に突き当たるものもあります。また、「どうして、こんなことが気になるのだろう」「どうして、こんなことをわざわざ書くのだろう」と戸惑われるかもしれません。それは「はぐらかし」や「ずらし」など、川柳特有の了承や着地の仕方によるものです。そこを楽しんでいただけたらと思います。(「あとがき」より)
著者プロフィール
樋口 由紀子 (ヒグチ ユキコ) (著/文 | 編集)
樋口由紀子(ひぐち・ゆきこ)
1953年大阪府生まれ。姫路市在住。「晴」編集発行人。「豈」「トイ」同人。句集に『ゆうるりと』『容顔』『セレクション柳人13 樋口由紀子集』『めるくまーる』。エッセイ集『川柳×薔薇』のほか、共著に『現代川柳の精鋭たち』『セレクション柳論』がある。