「ねじまき句会」を中心に活動する川柳人・瀧村小奈生の第一句集。
へなちょこなかわいらしさから、上質な言葉遊びまで、瀧村小奈生の魅力がいっぱい詰まった本句集を、こころゆくまで楽しんでほしい。――なかはられいこ
栞:佐藤文香、荻原裕幸、なかはられいこ
【収録作品より】
のがのならなんのことない春の日の
これからが躑躅やんかというときに
完璧な曇り空です。あ、ひらく
吊革のように暮らしていますから
かなしいのかしら和蘭陀獅子頭
畳み方がややこしいけど羽なんだ
靴踏んで、ねえ、白すぎるから踏んで
まだすこし木じゃないとこが残ってる
留守にしております秋の声色で
受話器押しあてれば雪の積もる音
あふれない水でいましょう いよう
目次
【目次】
シロサルスベリアカサルスベリ
うたいだすときいつも♭
パリの金魚はぼんじゅーと来る
待ちくたびれてひっぱった空
てっぺんかけたかもしれず
ここからが父そこは湖
あらアラベスクメヌエットっと
ゆゆしきものに油取紙
海だからって春だからって
あとがき
著者プロフィール
瀧村 小奈生 (タキムラ コナオ) (著/文)
1958年生まれ
ねじまき句会、海馬川柳会(川柳)、ねじまき連句会、桃雅会、猫蓑会(連句)、ペンキ句会、満月句会(俳句)に参加