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ペリーヌ・ル・ケレック『真っ赤な口紅をぬって』(新泉社)

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悪いのは私 最初の男だった 悪いのは私 選択を間違えた 悪いのは私 18歳だった 悪いのは私 子供だった 悪いのは私 我慢した 悪いのは私 やらせておいた …… 悪いのは私 あとになってわかった 罪悪感 そのいくつもの顔 ぜんぶが 私のほうを向いていた ――「悪いのは私」より ひと言話すたびに、彼女たちは立ち直っていった。彼女たちの勇気、生きる喜び、力、それらに導かれて書いた。 ――「まえがき」より 「沈黙を破りたいという私たち共通の願い」。フランスの詩人・小説家である著者がDV(ドメスティック・バイオレンス)や性暴力の女性被害者たちに聞き取りをおこない、その経験をもとに執筆したフェミニズム詩集。 【目次】 まえがき─滞在記より 2017年12月4日―2018年1月26日 Ⅰ 生きのびた女たち  いろんな理由をつけられて  どこかに行けば うまくいく  すさまじい暴力、すさまじい沈黙  地獄  ウェディングドレス  女らしさ  おそるおそる  あとどのくらいの時間  謝罪のあとで  悪いのは私  青あざ  いくつもの危険  動詞「黙る」の活用  いくつもの禁止事項  涙  こっそり隠れて  ベッドは  罵倒語  尋問  たくさんの質問  どんな扉も  私の家  目立たないように  「自分の部屋に行っていろ」  ジェットコースター  苦悩   出ていく  まぬけ  急いで  名前を呼ぶ  判決の日  男女平等  戦争  インシャラー  わが国の重要課題  ほんの少しでも  のぞき穴  子供たち  黒パン/白パン(シルヴィーに)  安全な場所  ひとりの新しい女性  唯一の決まり  びくびくして  私の楽園  本  勝利  刺繡  夢   逃げた女  どうかしている  売女みたいな口紅 Ⅱ 彼女たちを讃える  霊柩車  私の体  沈黙  覚えておいて  私たちはあなたを讃える  儀式 自分の声が聞かれる場所 北原みのり 訳者解説 相川千尋 【著者、翻訳者プロフィール】 ペリーヌ・ル・ケレック(著/文) 詩⼈、⼩説家、コラージュ作家。1968年、フランス・パリ生まれ。⼤学で美術史を学んだのち、フリーランスのリサーチ担当者としてテレビ局や出版社で働く。小説『ハサミさばき』『床』など著作多数。2017年、第2次世界⼤戦後にドイツ兵の愛⼈であったとして丸刈りにされたフランス人女性をテーマにした『丸刈りにされた⼥たち』を発表。各地の歴史的な記録や資料などの調査をもとに、声なき声を取り上げる作⾵を特徴としている。 相川 千尋 (アイカワチヒロ) (翻訳) フランス語翻訳者、編集者。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修了。仏和辞典編集、仏大使館勤務を経て翻訳者に。訳書にリリ・ソン『私のおっぱい戦争』、リーヴ・ストロームクヴィスト『禁断の果実』(以上、花伝社)、ヴィルジニー・デパント『キングコング・セオリー』(柏書房)など。 北原 みのり (キタハラミノリ) (解説) 作家。ラブピースクラブ、アジュマブックスの代表。フラワーデモの呼びかけ人。著書に『木嶋佳苗100日裁判傍聴記』( 講談社文庫)、『日本のフェミニズム』(編著、河出書房新社)など多数。

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