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姜信子『はじまれ、ふたたび いのちの歌をめぐる旅』(新泉社)

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2,420円

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20世紀最後の年から2011年東日本大震災までの10年あまりの間、私は遠い旅を重ねました。そこにはつねに歌があり、語られることのない無数の記憶がありました。 ――本書より カザフスタンから韓国・済州島へ。サハリンからイリオモテへ。歴史の波に翻弄され、地上をさすらう民――朝鮮からの離散民や沖縄移民、炭鉱夫、ハンセン病者、北方の少数民族。著者は世界各地を旅し、人びとが生きのびるために伝える「いのち」の歌や物語を記録してきた。旅先で出会ったのは、歌や物語の中で語られる記憶、そして語られることのない「声にならない声」だった――。 「聞こえない声、見えない光、この世を去った魂たちが棲まう、心の奥の「空白」の風景」を訪ねる、11編の詩情あふれるエッセイ集。東日本震災の体験も含め、記憶だけでなく「記憶の空白」を見つめ、人間の生と死、再生への道を問う。 本書は、2011年に刊行した『はじまれ』の増補新版。あらたに、震災後10年をテーマにした書き下ろしの作品を収録して再リリース。 【目次】 増補新版まえがき――あなたに贈るはじまりの歌  i はじまれ   英雄ナージャ   旅するパンドラ   彷徨いの絆   長夜の夢は獨覚   熊本、コリア、洗足池、キラウエア   取り返しのつかない話   私は行くよ   夢――縛めと赦し   真っ白な愛   生きる   はじまれ  ii はじまれ、ふたたび   不穏な神の声で 【著者プロフィール】 姜 信子 (キョウノブコ) (著/文) 1961年、神奈川県生まれ。作家。著書に『生きとし生ける空白の物語』(港の人)、『平成山椒太夫』(せりか書房)、『現代説経集』(ぷねうま舎)など多数。共著に『完全版 韓国・フェミニズム・日本』(斎藤真理子編、河出書房新社)など、訳書にピョン・ヘヨン『モンスーン』(白水社)、ホ・ヨンソン『海女たち』(新泉社、趙倫子と共訳)など。2017年、『声 千年先に届くほどに』(ぷねうま舎)で鉄犬ヘテロトピア文学賞受賞。

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