第一歌集『銀河を産んだように』、第二歌集『人類のヴァイオリン』、
第三歌集『竹とヴィーナス』、既刊の全三歌集を完全収録。
——いつかは自分が、と夢見た短歌が既にこの世に存在した。衝撃で目の前が真っ暗に。
あの日から、大滝和子さんの世界に憧れ続けている。 (穂村 弘)
【自選三首】
サンダルの青踏みしめて立つわたし銀河を産んだように涼しい 『銀河を産んだように』
張りつめたガラスごしなる月光よ 百合のなかにも奥の細道 『人類のヴァイオリン』
たれもみな初恋のひと秘めている雑踏という森へ入りゆく 『竹とヴィーナス』
【目次】
銀河を産んだように
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
解説 岡井 隆
『銀河を産んだように』あとがき
人類のヴァイオリン
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
『人類のヴァイオリン』あとがき
竹とヴィーナス
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
『竹とヴィーナス』あとがき
文庫版あとがき
【著者について】
大滝和子(おおたき・かずこ)
一九五八年、神奈川県に生まれる。
一九八一年、早稲田大学第一文学部日本文学科卒業。
一九八三年「未来」に入会。その後、岡井隆に師事する。
一九八七年、合同歌集『保弖留海豚(ホテル・ドルフイン)』に参加。同年、未来年間賞を受賞。
一九九二年、「白球の叙事詩(エピック)」30首にて第35回短歌研究新人賞を受賞。
一九九四年、歌集『銀河を産んだように』(砂子屋書房)刊行。
一九九五年、同歌集にて第39回現代歌人協会賞を受賞。
二〇〇〇年、歌集『人類のヴァイオリン』(砂子屋書房)刊行。
二〇〇一年、同歌集にて第11回河野愛子賞を受賞。
二〇〇七年、歌集『竹とヴィーナス』(砂子屋書房)刊行。
二〇一四年十月号か二〇一六年九月号まで、「短歌研究」に作品連載三十首全八回を掲載。
二〇二四年、現在も作歌活動を続けている。
装幀=鈴木成一デザイン室
(短歌研究社ホームページより引用)