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向坂くじら『夫婦間における愛の適温』(百万年書房)

1,870円

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デビュー詩集『とても小さな理解のための』が早くも5刷。 現在最もメディアから注目を集める詩人・向坂くじら、初の散文集。 「まずもって、あの夫というやつは臆病すぎる。合理的であるということを隠れ蓑に、ただ予期せぬものの訪れを怖がっているだけ。なんだい、なんだい、びびりやがって。くされチキンがよ。だいたい、すべて計画通りの毎日なんてつまらないじゃないか。(中略)そのくされチキンがある日、なんの前触れもなく急須を一式買って帰ってきた」(本文より) 暮らしより大切なものがある人間は、いかにして暮らせばよいのだろうか? 【目次】 オッケー、愛情だけ受け取るね  わたしはね、もう、これでいくのよ おおむね、ね(笑)  俺は論理的に話したいだけなんだけど、彼女はすぐ感情的になって 飢えなのです  合理的に考えて、死んだほうがマシである  わたしは、その顔あんまり好きじゃないな  歌を歌っていましたか  昼下がりが/部屋を/包んだ  目のあわない距離  「そっちでいくのかよ」  ものをなくしつづけて生きている  彼岸 笑う姿を見てて、うれしい  ああ、また、わたしが間違っていたのだな 熱が出ると  いちばんふつうの家のカレーが好きなんだよね  うちではお手伝いひとつしなかったのにね  あいをたいせつにね!  ごめんね、ハイジニーナちゃん 関西弁で、しゃべってみたいわあ  あんまり、遅くならずに帰ってこようね なんでこんなところにいるんだっけ  春 【著者プロフィール】 向坂 くじら (サキサカ クジラ) (著) 詩人、国語教室ことぱ舎代表。Gt.クマガイユウヤとのユニット「Anti-Trench」で朗読を担当。第一詩集『とても小さな理解のための』(しろねこ社)。一九九四年生まれ、埼玉県在住。

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