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小沼理 『1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい』(タバブックス)

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日記を書くことは、日本で生きているゲイ男性の1人としての「アクティヴィズム」でもあった‒‒ 新型コロナウイルス、東京オリンピック、元首相銃撃事件。著しい社会変化があった3度の夏、それでも生活は続いていく。迷い、怒り、喜び、苦しみ、考え、先へ向かう、注目のフリーランスライターによる3年間の日記。 目次 鍵をかけない部屋 消毒日記 2020年 隣人的 2021年 私はエラー 大丈夫 2022年 あとがき 前書きなど 鍵をかけない部屋  2年前に日記を書いた時は、新しい感染症に揺れる世の中を記録しようと思っていた。  1年前に日記を書いた時は、緊急事態下に国際的な祭典が強行された東京を書き留めておきたいと思っていた。  今年を迎えた時は、この2年に比べると大きなできごとは起こらないのではないかと思っていた。そうあってほしかったし、日記を書く理由も違ったものになるかもしれないと期待していた。だけど冬が終わる頃には新しい戦争がはじまって、夏には2年前まで首相を務めていた人物が。銃撃され亡くなった。他にも日夜追いきれないほどの事件が起きて、きちんと考える時間もないまま流されていく。いい方向に進んでいる実感が少しも持てない。どこへ向かうんだろう、そんな思いを抱えながら毎日は続く。 版元から一言 新型コロナウイルス、東京オリンピック、元首相銃撃事件。著しい社会変化があった3度の夏、それでも生活は続いていく。迷い、怒り、喜び、苦しみ、考え、先へ向かう、注目のフリーランスライターによる3年間の日記です。 著者は、その日の気分や政治への違和感、夕飯の献立を日記に同時に記します。そうすることで、「ある属性が都合よく漂白されるのを拒み、ある属性だけに還元されることから逃れようとしている」と語ります。セクシャルマイノリティである著者の日々の記録は、差別や偏見、社会構造や政治の歪みを、あらためて感じさせる内容です。 著者プロフィール 小沼理 (オヌマオサム) (著/文) 1992年富山県生まれ、東京都在住のライター。人文系の著者インタビューなどを中心に行う。Webマガジン「アパートメント」管理人。

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