消えゆくものたちの言葉を受け取って
誰もが抱える胸のうちや心象風景を
やさしく繊細なことばで描き、
読者の圧倒的共感を得る詩人、パク・ジュン。
旅と生活の中からつむがれた
哀悼と悲しみ、愛情と慰めに満ちた散文と詩。
【目次】
はじめに
陰
一部
あの年 仁川/あの年 慶州/ふたつの顔/生きつづける言葉/夜明けにかかってきた電話―詩人 李文宰/待つこと、記憶すること/手紙/あの年 麗水/朝ごはん/季節の変わり目/雨/あの年 挟才/白く、か細いひかり/碧蹄行/涙と息づかい/夢見の部屋/体と病/ふたたび今は/孤独と寂しさ/旅と生活
二部
自分を好きになるとき/あの年 画岩/あの年 墨湖/昼
間の酒/心の廃墟/記憶の野原/海南から届いた手紙/泣くこと/屋上へと上がる階段/小説家 キム先生/あの年 恵化洞/音/関係/返信/愛の時代
三部
春を迎えに/小さなこと 大きなこと/ふたたび去りゆく花/あの年 幸信/ふさわしい季節/日常の空間、旅の時間/広場のひととき/劇薬と劇毒/初恋/傘と雨/寺/趣向の誕生/あの年 三陟
四部
仕事と貧しさ/不親切な労働/大人になるということ/孤児/
酢醬油/もう泣かないで、父さん/手を振りながら/祝! パク・ジュホン 一歳/中央医院/スンデと革命/死と遺書/僕の心の年齢/時
おわりに
あの年 蓮花里
訳者あとがき
訳注
【著者プロフィール】
パク・ジュン (著/文)
1983 年ソウル生まれ。
2008 年『実践文学』にて作品を発表し、詩人としてデビューした。
詩集に『あなたの名前を煎じて数日間食べた』、『私たちが一緒に梅雨を見られるかもしれません』、絵本に『私たちはアンニョン』、散文集に『季節の散文』がある。
申東曄文学賞、今日の若い芸術家賞、片雲文学賞、朴在森文学賞などを受賞。
創作活動以外にも、ラジオDJや、映画出演など幅広く活躍している。
趙倫子 (チョ リュンジャ) (著/文)
訳者:趙倫子
1975年大阪府大東市生まれ。韓国語講師。パンソリの鼓手および脚本家。
創作パンソリに「四月の物語」「海女たちのおしゃべり」「にんご」。
翻訳書にホ・ヨンソン『海女たち』(新泉社)、ファン・ソギョン『たそがれ』(クオン、いずれも姜信子との共訳)がある。