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僕の暮らしているまちの下には、お父さんとお母さんが育ったまちがある
津波による甚大な被害で街が跡形もなくなった岩手・陸前高田市。震災後のかさ上げ工事で約10mの高さの新しい地盤が築かれた。
このことに着想を受け、著者が綴った冊子「二重のまち」は住民たちに愛唱された。
「交代地のうた」と現地での日記(2018~20年)とともに書籍化。
津波に流された町の地面の下に、静かに、しかし厳然として、
かつての町が横たわっているのだと語る瀬尾さんの文章に、
わたしは灯される明かりを見る思いがしたのでした。
────────小野和子(民話採訪者)
2021年2月下旬全国書店にて発売。
【著者プロフィール】
瀬尾夏美(せお・なつみ)
1988年、東京都足立区生まれ。宮城県仙台市在住。土地の人びとの言葉と風景の記録を考えながら、絵や文章をつくっている。2011年、東日本大震災のボランティア活動を契機に、映像作家の小森はるかとの共同制作を開始。2012年から3年間、岩手県陸前高田市で暮らしながら、対話の場づくりや作品制作を行なう。2015年宮城県仙台市で、土地との協働を通した記録活動をする一般社団法人NOOK(のおく)を立ち上げる。現在も陸前高田での作品制作を軸にしながら、“語れなさ”をテーマに各地を旅し、物語を書いている。ダンサーや映像作家との共同制作や、記録や福祉に関わる公共施設やNPOなどとの協働による展覧会やワークショップの企画も行なっている。参加した主な展覧会に「ヨコハマトリエンナーレ2017」(横浜美術館・横浜赤レンガ倉庫、神奈川、2017年)、「第12回恵比寿映像祭」(東京都写真美術館、東京、2020年)など。単著に『あわいゆくころ 陸前高田、震災後を生きる』(晶文社)があり、同書が第7回鉄犬ヘテロトピア文学賞を受賞。文学ムック「ことばと」vol.2 で初小説「押入れは洞窟」を発表した。
http://www.kankanbou.com/books/essay/0449