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岸本佐知子『わからない』(白水社)

2,530円

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リディア・デイヴィス、ルシア・ベルリンなど数々の名翻訳で知られる著者は、エッセイストとしても絶大な人気を誇る。本書はデビューエッセイ集『気になる部分』(白水社刊、2000年)以降に様々なメディアに寄稿した、単行本未収録の文章を集大成したものだ。 全三章で構成。第一章は、「前世が見える」という人に教わった著者の前世の物語「わからない」、一度も訪れたことのない場所を精緻な妄想で描写する「ここ行ったことない」等、ヴァラエティ豊かなエッセイを集める。 第二章は、書評の意味を崩壊させてしまった伝説の朝日新聞連載「ベストセラー快読」、子供のころ猿のように繰り返し読んでいた本を今読んだらどうなるのか実験した「もう一度読んでみた」等、本にまつわる文章でまとめた。 さらに第三章として、キシモトワールドのエッセンスを凝縮したようなウェブ日記「実録・気になる部分」等、2000年代の「日記」を収録。いずれの章も、抱腹絶倒、奇想天外、虚実の境をまたぎ越す著者の真骨頂が堪能できる。 危険防止のため、電車の中では読むことをお控えください。 目次 I わからない  カルピスのモロモロ  アシブト、アシボソ  わからない  イエス脳  猿の眉毛タウンの謎  オカルト  こんにちは、わたしがママよ  あいや天気予報  肥後守は何のカミ  珍しいキノコの収集  私のこだわり   ①人々がなすすべもなく右往左往する映画   ②テロップを見ない   ③エンドレス心霊動画  彼ら  オバQ、あるいはドラえもん  回廊  スケッチブックの日誌  猫の松葉杖  猫失いの守り札  墓と馬鹿  地獄、やって〼  謎三題  『デン助劇場』  『オー! マイキー』が必見である理由  邪悪すれすれ。  福助エルメス  危険なキノコ  旅ぎらい  たぶん死ぬまで忘れない一つの単語  私が信号を赤で渡るわけ  ハイク生成装置  これから英語を勉強しなければならないみなさんへ  このあいだ行った店  わたしのいえ  ここ行ったことない   ①回転寿司   ②ブータン   ③YRP野比   ④お台場 II 本と人  もう一度読んでみた   ①『クマのプーさん プー横丁にたった家』   ②『海のおばけオーリー』   ③『にんじん』   ④『小僧の神様 他十篇』   ⑤『銀の匙』その1   ⑥『銀の匙』その2   ⑦『ムツゴロウの無人島記』  ベストセラー快読  書評  カーリーのニュクニュク  リディア・デイヴィスとのこと  『にんじん』と私  漱石嫌い  悪文について  ビリビリフレイン  かっぱかっぱらった/かっぱらっぱかっぱらった  私の愛する日記本  おでんの大根本  すごいよ!! ヨシオさん  お座敷宇宙  三浦しをんさんのこと  ミエコさんとワタシ  「坪センパイ」と世田谷  翻訳小説食わず嫌いにとりあえずお勧めしたい何冊か III 日記 二〇〇〇年~二〇〇八年  実録・気になる部分  翻訳グルグル日記  カブトムシ日記  おおむね読書日記 あとがき 著者プロフィール 岸本 佐知子 (キシモト サチコ) (著/文) 上智大学文学部英文学科卒。翻訳家。訳書にL・ベルリン『掃除婦のための手引き書』『すべての月、すべての年』、L・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』『分解する』『話の終わり』『サミュエル・ジョンソンが怒っている』、A・スミス『五月 その他の短篇』、M・ジュライ『いちばんここに似合う人』、G・ソーンダーズ『十二月の十日』『短くて恐ろしいフィルの時代』、J・ウィンターソン『灯台守の話』、S・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、N・ベイカー『中二階』、T・ジョーンズ『拳闘士の休息』、S・タン『内なる町から来た話』『セミ』など。編訳書に『変愛小説集』『居心地の悪い部屋』など。著書に『気になる部分』『ねにもつタイプ』(講談社エッセイ賞)『ひみつのしつもん』『死ぬまでに行きたい海』などがある。

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