SOLD OUT
第8回俳句四季新人賞・令和3年度宮城県芸術選奨新人賞・第6回芝不器男俳句新人賞対馬康子奨励賞受賞
東北の俊英・浅川芳直の第一句集
……一集に流れているのは「光」の明るさと「雪」の眩しさである。
『夜景の奥』を携えた若武者の、今出陣の蹄音を聞く思いである。西山睦「序」より
この人の鋭さと柔らかさの兼ね合いは絶妙。
清新と風格の共存と言い換えてもよい。高橋睦郎「帯文」より
作品
新春の小石ひとつを蹴つて泣く
約束はいつも待つ側春隣
水平線もりあがり鳥雲に入る
城山より見据ゑ阿武隈夏霞
論文へ註ひとつ足す夏の暁
あかるくてからつぽしぼり器のレモン
電飾の光が曝す幹寒し
わが深きところへ飛雪息晒す
雪となる夜景の奥の雪の山
初雪のこぼれくる夜の広さかな
著者略歴
浅川芳直(あさかわ よしなお)
平成4年宮城県名取市生。平成10年「駒草」入門、現在同人。
「むじな」発行人。
宮城刑務所文芸誌「あをば」俳句選者。
『河北新報』朝刊コラム「秀句の泉」水曜、土曜執筆者。
(東京四季出版HPより引用)