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こんな未来なんて想像もできなかった。そもそも未来なんて思い描けなかった━━。
トランス女性の作者による声や経験が主体性を持って読者に届けられる。
ストーンウォール図書賞受賞はじめ大きな支持を集めたトランスガールの青春小説。川野芽生さん推薦!
むしろ、ごくありふれた、青春の物語。それが、彼女には、彼女たちには、なかった。これまでは。
━━━━川野芽生
「本書の、最もすばらしい部分は(略)トランスジェンダーの若者が、自分を尊重できるようになっていく物語、となるだろう」(訳者あとがきより)
【あらすじ】
アマンダ・ハーディは、ある出来事から高校最後の年を新しい街で過ごすことになる。彼女にはある目的があった━━できるだけ目立たず、人との関わりを避け、ただ日々をやり過ごす。卒業したら自分を知る者のいない場所に消える。すべては自分の人生を生きられる未来のため。ここは通過点にすぎない。それでも転校先での数々の出会いは、彼女の心の氷を溶かしてゆく。その先に見出したものとは━━?
【著者プロフィール】
メレディス・ルッソ(Meredith Russo)
テネシー州チャタヌーガ出身。本作『理想の彼女だったなら』はストーンウォール図書賞ヤングアダルト部門を受賞したほか、ラムダ文学賞とウォルター・ディーン・マイヤーズ賞でファイナリストに選出されるなど大きな評価を得ている。長篇第二作目Birthday(2019)のほか短篇“Somewhere That’s Green”(2018)、“The Coronation”(2020)や、エッセイ“The Most Important Act of Resistance” (2017)なども発表している。彼女の作品はこれまで11言語に翻訳されている。
【訳者プロフィール】
佐々木楓(ささき・かえで)
クィアな文学や映画を研究。フェミニスト。トラウマやPTSD、発達障害の問題に関心がある。共著に『現代アメリカ文学ポップコーン大盛』(書肆侃侃房、2020)。