SOLD OUT
ある日突然言葉を話せなくなった女。
すこしずつ視力を失っていく男。
女は失われた言葉を取り戻すため
古典ギリシャ語を習い始める。
ギリシャ語講師の男は
彼女の ”沈黙” に関心をよせていく。
ふたりの出会いと対話を通じて、
人間が失った本質とは何かを問いかける。
★『菜食主義者』でアジア人作家として初めて英国のブッカー国際賞を受賞したハン・ガンの長編小説
★「この本は、生きていくということに対する、私の最も明るい答え」――ハン・ガン
著者プロフィール
ハン・ガン (ハン ガン) (著/文)
ハン・ガン(韓江):
1970年、韓国・光州生まれ。延世大学国文科卒業。1994年、短編小説「赤い碇」でデビュー。2007年に発表した『菜食主義者』で、韓国で最も権威のある文学賞李箱文学賞を受賞。また同作で2016年にアジア人作家として初めて英国のブッカー国際賞を受賞した。小説のほか、詩、絵本、童話など多岐にわたって創作活動を続けて、受賞作が多数ある。現在、ソウル芸術大学の文芸創作科教授を務めている。邦訳された作品に『菜食主義者』『少年が来る』(ともにクオン)がある。
斎藤真理子 (サイトウ マリコ) (翻訳)
斎藤真理子(さいとう・まりこ):
翻訳家。訳書にパク・ミンギュの『カステラ』(クレイン)、『ピンポン』(白水社)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)などがある。『カステラ』で第一回日本翻訳大賞を受賞した。