紹介
「国道29号線、きみは/このどうということのないものが接続された/骨と体が/百年後には決して/託せないものをしっているだろうか/わたしはそのころ/きみが素足で土をふみながら歩いていることを/祈っている/約束とはそういうもので/つなぐ手を永遠に借りてもいいという信頼に/わたしは永遠に、救われている」(「ルート29、解放」より)
映画『ルート29』原作詩集の新装版。
装幀=清岡秀哉。
目次
誘蛾灯
ルート29、解放
1 飛行機雲
2 魚/影
3 中指に掲げる、星祭り
長い散歩 Ⅹ-Ⅰ
「たとえば」の話と後記
著者プロフィール
中尾太一 (ナカオタイチ) (著/文)
1978年鳥取県生まれ。2006年、思潮社50周年記念現代詩新人賞受賞。2007年、第一詩集『数式に物語を代入しながら何も言わなくなったFに、掲げる詩集』を刊行。2019年、詩集『ナウシカアの花の色と、〇七年の風の束』(2018年)で第10回鮎川信夫賞受賞。その他の詩集に『御代の戦示の木の下で』(2009年)、『現代詩文庫 中尾太一詩集』(2013年)、『a note of faith ア・ノート・オブ・フェイス』(2014年)、『詩篇 パパパ・ロビンソン』(2020年)、『ルート29、解放』(旧版、2022年)。