SOLD OUT
独立映画、モータウン・サウンド、HIPHOP……
メインストリームから外れたソウルの「B面」
市場における観客占有率が「0%に向かって」減少の一途をたどっている独立映画をテーマとした表題作ほか、映画のシーンナンバーをつけられた章が散らばる「セルロイドフィルムのための禅」、公務員試験予備校のあつまる鷺梁津(ノリャンジン)を舞台に、勉強はそっちのけで恋と音楽にのめり込む〈俺〉の物語「SoundCloud」など。
若者たちの苦い日々がオフビートに展開する7篇。
〈李箱文学賞〉優秀賞、〈若い作家賞〉受賞作家による注目のデビュー作!
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ライムスター宇多丸さん、大田ステファニー歓人さん(『みどりいせき』)推薦!
▼ライムスター宇多丸さん
主流文化からこぼれ落ちたものをこそ「逡巡がグルーヴする」文体で掬い取る、鋭くも優しい視点。これは凄い人が出てきたかもしれない……!
▼大田ステファニー歓人さん
映画的非連続性(モンタージュ) 音楽的重層性(サンプリング) 断片記憶の不確実性(マルチタスク)が現代人のフロウ(文体)
目次
迷信
セルロイドフィルムのための禅
仮のスケッチ線
SounCloud
グループサウンズ全集から削除された曲
(その) 場所で
0%に向かって
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作家のことば
訳者解説
著者プロフィール
ソ・イジェ (ソイジェ) (著/文)
서이제/1991年、韓国・清州(チョンジュ)生まれ。ソウル芸術大学映画学科卒。在学中に小説を書きはじめ、2018年に中編「セルロイドフィルムのための禅」が『文学と社会』新人文学賞を受賞し、デビュー。2021年に「0%に向かって」で若い作家賞、本書で今日の作家賞を受賞。続く2022年には「頭蓋骨の内と外」で2年連続となる若い作家賞、「壁と線を越えるフロウ」で李箱文学賞優秀賞、『0%に向かって』でキム・マンジュン文学賞新人賞を受賞と、デビュー数年にして数々の名だたる文学賞を受賞している。
原田いず (ハラダイズ) (翻訳)
1985年、兵庫県神戸市生まれ。韓国文学翻訳院翻訳アカデミー、同院翻訳アトリエで学ぶ。2020年、新韓流文化コンテンツ翻訳コンクール(現翻訳新人賞)映画部門大賞受賞。韓国文学ZINE『udtt book club』のメンバーとして、未邦訳作品の紹介を行っている。