
SOLD OUT
映えないからこそ、愛おしい。自分を見つめる17人の休日ひとり時間の過ごし方
休日のひとり時間、あなたは何をして過ごしますか?――世代やバックグラウンドの異なる17人による、ひとりで過ごす休日についてのエッセイ・アンソロジー。20代から50代まで、独自の視点と感性で文章を書く人たちに執筆を依頼。書き手の肩書きは、事務職、マーティング職、システムエンジニア、バリスタ、専門紙記者、大学院生、イラストレーター、書店店長、ライター、ひとり出版社経営者など。無名でありながらも、その人ならではの「孤独」の風景を持つ方々から、魅力あふれるエッセイが届きました。
誰かの「映えない」休日の裏にあるさまざまな孤独に触れることで、あなた自身の平凡な休日も、不思議と味わい深く感じられるかもしれません。
目次
休日のショッピングモールのことは大好きだけどたぶん僕とは相性が悪い…上ネズミ
渡り廊下…小黒悠
真夜中宇宙航海日誌…みすみ
脱衣…shun
何もしない。それもいい。…西谷恭兵
バーで孤独と乾杯したい…三毛田
中規模イオンで妄想する未来…澁谷玲子
僕と他人事と気分転換…中野
丁寧な暮らしはサザエさん症候群を打破できるのか…のろのろな野呂
布団のなかにいる…勝本育実
二十五時の国…青野朝
人が嫌いなわけではなくて…タムラ
出不精の言い訳…きのこやろう
社会から切り離された、いくつもの休日…鈴木豊史
さてどうしたものか…。…宇佐見明日香
日曜日の内野指定席B…伊野尾宏之
その舞台裏が愛おしい…藤川明日香
前書きなど
普通の人の日曜のひとり時間には、どんな思いや人生が隠れているのかを知りたくなり、「休日のひとり時間についてのエッセイを書いてもらう」という本書を企画しました。声をかけたのは、「書くことが好き」と見受けられ、その文章に独自の視点や感性が垣間見える人。誰の役にも立たないかもしれないけれど書かずにはいられない、という切実さが感じられる人。(中略)
執筆にあたっては、できるだけ「本当の感情」に触れてもらうことをお願いしました。休日についてのほんわかエッセイが読みたいのではなく、その文章を通して、その人の根っこにある孤独感に迫りたいと思ったのです。何度か修正をお願いして閉口された方もいらしたかもしれませんが、最終的には、リアリティと切なさの詰まったとびきり魅力的なエッセイが集まりました。(中略)
エッセイの最後に添えた一問一答では、書き手の方の価値観や、影響を受けてきたものが見えてくるような質問をしています。それぞれのエッセイと照らし合わせながら楽しんでいただければ幸いです。
見知らぬ誰かの「映えない」休日の裏にあるさまざまな孤独感に触れることで、あなた自身の平凡な休日や、身近な人へのまなざし、人生への視点が少しだけ変化する。そんな読書体験を味わっていただければ嬉しいです。
版元から一言
本書の書き手はいわゆる著名人ではなく、基本的には無名の人たちですが、彼らがその人ならではの孤独感と向き合って綴った文章には、とても力があると感じています。書き手は1970年代生まれから2000年生まれまでの17人。それぞれの年齢にしか書けない等身大の文章には、今の時代を切り取るような視点や描写も散りばめられています。自身の「映えない」休日も愛おしくなるような読後感を味わっていただけるとうれしいです。
著者プロフィール
月と文社 (ツキトフミシャ) (編)
「日常をもっと、味わい深く」をコンセプトに、読むことで自分と対話したくなるような本づくりを目指して、2023年5月に設立した出版社。代表の藤川明日香は25年勤めた日経BPで主に雑誌の編集に携わり、建築誌『日経アーキテクチュア』、米国のライフスタイル誌の日本版『REAL SIMPLE JAPAN』の編集者や、『日経WOMAN』編集長などを務めた。独立後に出版した書籍は、イラスト短編集『東京となかよくなりたくて』、インタビュー集『かざらないひと 「私のものさし」で私らしく生きるヒント』『こじらせ男子とお茶をする』、翻訳絵本『ゴッホとひまわり』。本書が5冊目の刊行となる。
B6変形判 縦182mm 横118mm 厚さ12mm 重さ 170g 184ページ 並製
定価 1,800 円+税 1,980 円(税込)
ISBN978-4-911191-04-0