本は友だち、本は自分をうつす鏡、本のちからを信じる
真の文学青年が詠う世界は、静謐でつらくなるほどうつくしい。
(林和清)
【著者プロフィール】
惟任將彥(これとう・まさひこ)
1975年、兵庫県加古川市に生まれる。歌人、日本語教師。
近畿大学文芸学部在学中に塚本邦雄ゼミに所属、作歌を始める。
歌誌「玲瓏」会員。
2018年、第28回玲瓏賞受賞。
【5首】
窓に星座の映る真夜中本を読むわれもいつしか本と変はりて
おしやべりで猫背のキャッチャー知つてるぜおまへほんとは猫なんだらう
時間を守るひとたち出来事を優先させるひとたち暮すこの星
北極星(ポラリス)は四三一光年 この星の百年後の安全
最後の力振り絞りたるごと指折り曲げて軍手はありき