明治の和歌革新運動によって短歌は文語/口語のキマイラとなった。その100年後、SNSの普及が短歌の口語化に第二のパラダイムシフトをもたらした。言葉は変化し続け、今日の口語は、明日には古びた文語となる宿命にある。著者は本書を通じて、こう提言する――。
もうやめませんか? 「文語/口語」の線引き
Ⅰ キマイラ文語
キマイラ文語/ぬえとキマイラ/現代短歌の文語のルーツ/
和歌と狂歌が並立した近世/香川景樹が「旧派」となるまで
Ⅱ 近代文語の賞味期限
増殖する擬古語/ら抜き言葉と創作文語/短歌の歴史は口語化の歴史/
『広辞苑』第三版とやさしい日本語/SNSと第二の言文一致/
短歌口語化の伏流水~古語を使う人々/時は流れ「た」/繋がないままの歌
Ⅲ ニューウェーブ世代の検証
ニューウェーブ終焉時を振り返る/俵万智の教師詠/加藤治郎のオノマトペ/
荻原裕幸の語彙/水原紫苑の「われ」/穂村弘の評論/座談会(2001.10.)/
ニューウェーブをあるべき場所に
(現代短歌社ホームページより)